まえおき
以前から興味はありつつ,入沼必至で避けてきたPrusa MMU2Sにとうとう手を出しました.
(念のためMMU2Sはmulti material upgrade 2Sの略でPrusaを改造することで5種類のフィラメント を切り替えながら印刷を可能にする夢のような機能です.)
私は以前から,多色印刷と,水溶性フィラメントサポートを使ってみたかったので,お正月に「今年の目標としてちょうどいいんじゃない?」などと言い訳をして購入してしまいました.
PrusaのWeb shopからOriginal Prusa i3 MMU2S upgrade kit (for MK2.5&MK3S/+)の購入をかけたのが2021年 1/8, 発送されたのが3/27で到着が4/1. すぐに開封する余裕はなく,外出自粛のゴールデンウィークにようやく箱を開けました.
これはアップグレードキットなので,アップグレードに必要な部品類がセットになっており,それを組み立てることでマルチフィラメント印刷を可能にします.(キットしかありません.念のため)
MMU2Sへのアップグレードを行う上でMK3のユーザーはMK3/S to MK3S+ upgrade kitを適用してからアップグレードをするようにとの注意書きがあります.
私はMK3Sなのでかならずしもアップグレードする必要はないのですが,きっとこの先,色々とトラブルが起こるので,最新版に合わせておこうということで,こちらのキットも併せて購入しました.
私は,Prusaのよいとこは,キットでも標準設定でクオリティの高いものがさくっと印刷できるところだと思っているので,正直MMU2Sは現時点でもお勧めはできないかなと思います.(ある意味Prusa I3 MKS3からPrusa I3 MMという別なプリンタになるので,もともとあったロバスト性が失われる部分があると思います)
とはいえ,この記事を読もうと言う方は沼と聞いたらむしろ進んで入る皆様だと思います.ぜひお試しください.
発注内容
今回はPrusa i3MK3Sを一旦MK3S+へ アップグレードしてそれを解体してMMU2Sへアップグレードします.
Prusaのオンラインショップから
Original Prusa i3 MK3/S to MK3S+ upgrade kit $49
Original Prusa i3 MK2.5S & MK3S/+ Multi Material 2S upgrade kit (MMU2S) – Color : Orange printed parts $299
を発注しました.
定期的にPrusa から買い物している方はいいですが,送料もかかるのでMMU2S関連の予備部品も一緒に買っておくと良いと思います.
私はHotEndのPTFEチューブが変更になるので追加で予備品を買っておきました.
Hotend PTFE tube (MK3S+, MMU2S)
あと,使い始めると間違いなく,始めは印刷たびにMMユニットを開けて調整することになります.この時にIdler Springが飛んでどこかに行きます.そしてバネの予備はないので見つけるまで再印刷できません.一個$1.93です.何個か予備を買っておいた方が良いと思います.
あと,フィラメント もPLAを一つ買っておくと良いでしょう.あとでフィラメントの硬さや温度に合わせて調整をしていく必要がありますが,手持ちのフィラメントがMMUと相性が悪いと何が正解かわからないまま無駄に時間を使ってしまいます.Prusamentで一度うまくいってから,入手性の良いフィラメント を試されると良いと思います.(ちなみにお断りしておきますが,別にPrusamentだからといって標準条件でうまく行くわけではありません)
水溶性フィラメントも試そうと思っている方もPrusaの標準を一度買っておくとよいでしょう.(ちなみにお断りしておきますが,別にPrusa標準だからといって標準条件でうまく行くわけではありません.)
とにかく,一度正解に辿りつかないと何も始まりません.お金で解決できるところはお金で解決しましょう.
MK3S+ アップグレード
はじめにMK3S+へのアップグレードを行いますが,注意点があります.先にプリンタをバラしてはいけません.MK3S+アップグレードキットはプラスティック部品は入っておらず,付属のPETGを使って自分で印刷します(STLファイルやG-CODEはこちら).先にプリンタをバラすと酷い目に合います.
紙の説明書はないのでこちらのページにある説明書をよく読みましょう.
マニュアルがMK3からのアップグレードとMK3Sからのアップグレードが順繰りに書いてあるので,頭から作業すると危険です.(次へを押して進むとMK3の手順で進む)
MK3Sからアップグレードしたい人は
- Introduction
- 2B. MK3S Extruder disassembly
- 3B.MK3S Extruder upgrade
- Electronics assembly
- Y-axis upgrade
- Preflight check
の順での作業です.ちなみにX軸はいじる必要がないのでうっかりばらさないようにしてください.(私は勢い余って,インシュロックを切りました)
あと,このマニュアルを使う上での注意ですが,Webに表示された写真はかならず全部みましょう.1枚しか表示されていないものと複数切り替わるものが混在していますが,複数枚写真があるものは必ず最後まで表示させて,内容を確認してから手順にとりかかってください.あとの写真で示されている手順があり,これを行わず次に進むと手順が飛んでしまいます.
フィラメントセンサや距離センサのアップグレードはどのくらい効くのかわかりませんが,フィラメントセンサの安定度はMMU2では重要そうです.あと,ホットエンドのPTFEのチューブの変更はMMU2の運用を考えると変更しておいてもいいのかなと思います.あと,Y軸のU字ボルトはなんとなくイマイチだと思っていたので,この改良はいいのではないかなと思います.(公式も言っていますが,問題が出ていなければこのアップグレード自体3Sからやる必要ないとのことです. $49はセンサ類もついているのでさほど高くもないかなと思います...)
基本はやるだけなので頑張ります.エクストルーダはやる気が出ないのですが,ここで一度バラして手順を復習しておくと,この後MMU2で発生する無数のトラブル対応が素早くできるようになります.MMU2を購入した時点で1回の分解ですむはずはありません.ここで手順が復習できるのだと喜んで取り組むのがポジティブでいいと思います.
あと4.のElectrics assemblyのところもMK3のマニュアルが先に来ます.(ボードがちがう)Step3はとばしてSetp4にすすみ写真の1枚と3枚目を見てください.(2枚目の写真もボードがちがう)フィラメントセンサのケーブル差し込む位置を間違えないようにしてください.(私は間違えた)
あと,最後にケーブル類をインシュロック5本使って止めますが,すぐにバラします.MMU化する時もそうですし,印刷時もトラブってちょくちょくエクストルーダーを下ろします.ヒータケーブル一本,センサーケーブル用1本の2本程度でステージ擦らないようにだけ注意して仮止めで良いと思います.(もったいないから)
以下は風景写真(工事中)です.
新旧チューブ比較. 長さが少し短くなった.あとテーパーの付け方が違うみたい. |
基板が黒から赤に |
白から黒に. |
まずはここまで
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